2015.6.7
3月末の年度末決算調整賞与の経過
平成23年度(2011年)決算黒字にするため翌年度の賞与額を下げて、賞与引当金を減らす奇策を講じました。
賞与引当金は翌年度賞与見込み額を引当てするのですから、夏10万円とし年度末決算賞与は未定とすることで引当金計上を減らしたのです。なんとしても決算黒字にするための措置でした。翌2012年夏は10万円、冬50万、3月末は当年度の決算見込額を増減できるようにしたのです。労働組合は無利子の生活資金特別融資を要求され無利子で特別融資を実施します。会社は資金繰り不足ではなかったのです。
このとき会社の変更趣旨は「会社の収益管理と社員の収益達成への目的意識をリンクさせるため、会社収益の目標感を『見える化』し、当年度の会社収益が当年度の社員の賞与に直接的にリンクする方式に変更する」と言います。「目標感の見える化」のためにの論理にはアリバイつくりです。
その後、粉飾決算と疑われなように、年3回払い賞与は3年間続きます。
ところが、2年目には2月末に予測した決算見込額は、実算は大きく見込み違いが起こります。2013年(平成25年度)の経常利益決算は、予測より+1.5億円増えて+4億4717万円。見込より実算が増えたので翌年2015年夏に組合平均15万円の追加賞与を支払います。
2014年度は収支好転する兆しがでると、期末に向けて遊休施設解体や設備改修の突貫工事で急遽おこないます。そして2014年(平成26年度)は予算超過達成する決算見込みを発表します。その結果、年度末賞与は青天井でしたので、夏、冬支払額より多い賞与となります。
2015年度の賞与は、夏、追加賞与、冬、年度末賞与の合計額は創立来の最高額を更新し、表示額で親会社年間賞与を超えたのです。ところがまたもや、4月に入り決算は見込み額より△1.72億円少ない決算となります。実算との差異なる誤差が生じたときの精算ルールがないので減額精算は信義上できません。
2月末に予測する3月末の決算見込みが、1か月後の実算で2013年+2.47億円 2014年△1.72億円と予測違いが連続して2年連続して起こるのです。株式上場企業ならば、市場から信用喪失するような醜態です。見込違いをいろいろ言い訳しても未来を予測するのは難しいことを学習します。
ですが、それは失態ではないのです。最初の動機が引当金減の決算黒字化の方便として「収益の目標感の見える化」と牽強付会(けいきょうふかい)ですから、「決算の保守性の原則」から3年間続せざる得なかったのが真相と思うのです。
そして、今年2015年度(平成27年度)は、過年度計算反映の夏冬の年2回の賞与方式に戻るのです。2015年は当年度予算で算出、来年2016年は過年度決算により算出に改めるのです。
2015年は前年決算良いので過年度決算適用せず、過年度決算の計算運用に上下限も設けてリスクヘッジする狡猾な業績連動算式です。
年度末決算賞与廃止の理由について、取締役総務部長は「労働組合が反対したから」以外は何んら語らないのです。朝三暮四の年度末決算賞与のが廃止されたことは歓迎します。
賞与の残された課題としては、非正規の欠勤控除差別、三交代の欠勤控除計算不利、人事考課結果の分布、成績ランクと計算指数の非公開などが改善は未解決です。「目標感の見える化」を唱えるも中期計画なるもの社員みんなに広報せず「目標感の見え化」は嗤われます。
(この文書では一時金をことを賞与として表記。2015,6,7伊達)
参考
平成23年3月7日 の会社説明文書
平成24 年度労働条件改定要求に対する回答について(抜粋)
今後の賞与支給額の決定万式について
会社の収益管理と社員の収益達成への目的意識をリンクさせるため、会社収益の目標感を「見える化」し、当年度の会社収益が当年度の社員の賞与に直接的にリンクする方式に変更する。詳細は別紙のとおりとする。
○今後の賞与支給額の決定方式について
状況の変化が激しい環境下にあって、特に、会社収益に対して共通目標認識を社員全員で共有していく必要があると考えており、
①会社の収益管理と社員の収益達成への目的意識をリンクさせる
②当年度収益を当年度の賞与に反映させるとの趣旨で今後の賞与の支給額決定方式について変更する考えです。
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