通勤困難事態は、遅刻扱いとならない

 颱風15号の進路 西日本新聞web2015/8/25 13時19分
颱風15号の進路 西日本新聞web2015/8/25 13時19分

2015/8/26

 

台風の自宅待機指示

 

 2015/8/25台風15号は、久々に工場を直通しました。過去3回、受電室が冠水して全停電となったことがありましたが、今回は工場臨時休業休止して台風に備えました。工場通路の一部が小舟を浮べるほど冠水するのは慣れてしまったので驚きはない。大きな被害はなくてよかったです。

 颱風は朝の出勤時間帯に当たり、JR、バスは運行休止し、マイカーも強風で交通困難でした。

 

 光和精鉱株式会社では、出勤困難な人は、「自宅待機」扱いの措置をとりました。この自宅待機とは、通勤困難で遅刻したときは、見做し労働として扱う措置でした。会社都合による休業、一時帰休のときに自宅待機と称します。会社の都合ではないのに「自宅待機」と言うのは違和感があります。

 地震、颱風、大雪、大災害等により交通手段が休止され出勤不能の場合は、どんなに遅刻しても、とにかく出社したら所定労働時間を就労したものと見做します。交通手段が回復して出勤しなければ欠勤扱いになります。

 交通機関が終業時刻まで復旧せず終日出勤務できないときは、「災害休暇」として扱うのが順当です。

 

 就業規則には出勤困難ときの措置を不十分ながら規定しています。光和精鉱の『台風防災規程(2015/7/1施行)』の第1条目的で「・・人命の安全確保、災害の拡大防止、及び設備保全を確保することを目的とする・・」最近制定しました。 

 颱風や大雪で退勤困難と予想されるときは、早退することがあります。これも労働免除の見なし労働扱いですが、早退に関する労働免除は規則未整備です。

 

 問題は、出勤困難な事態が起きたときの勤務取扱いの説明と周知を懈怠(かいたい)されていることです。

 勤続の長い人は、台風、大雪、ストライキの際の交通手段がない事態を何度も経験していますが、「自宅待機指示」、「早退」は全員にもれなく知らされないのも問題あります。

 突然の交通機関の運行休止のときや交通事故により渋滞して遅刻が避けられ不可効力に該当するのかは、その時の客観的情況により主観的に判断されます。

  

光和精鉱社員就業規則(抜粋)

(遅刻・早退・外出)

第52条 遅刻または早退、もしくは社用または私用による外出等就業時間中に職場を離れる場合は、事前に、やむを得ないときは事後遅滞なく所定の様式により、所属上長を経て届け出て許可をうけなければならない。

2 不可抗力により遅刻し、または公傷により早退したときは所定労働時間就労したものとみなす。

 

(休業休暇)

第78条 会社の責に帰すべき事由により、就業できないときは、その期間を休業休暇とする。

 

(災害休暇)

第75条 社員が、災害により次の各号のーに該当するときは、それぞれの区分により災害休暇を与える。

(1) 社員の居住する家屋が損害をうけたときは5日以内

(2) 交通機関が損害をうけ出勤できないときは交通機関が復旧し、出勤可能となるまでの期間

 

 

 不可抗力とは、普通に要求される注意や対策を講じても事故、損害を防止できないことで、本人の責任が及ばない事態。大雪などで突然交通機関が休止したとなどが該当する。