2015/8/29
トヨタ毎月人事評価で賃金奪い合い
情実考課変動賃金制度
トヨタ自動車は、一般職の賃金体系を変更し、技能発揮給基準額7万円/月を上司が毎月人事査定をして変動する制度を来年1月から導入する。技能発揮給は職能給に毎月の評価を反映されたような賃金項目です。トヨタ労組は経営を補完する組合ですから修正協議して、会社提案趣旨は了解し2016/1から導入する。続いて事務技術職の一般職にも毎月成果賃金導入を検討しています。
報道ではトヨタの技能職成果主義賃金と書きていますが、実態は復古的に「情実考課変動賃金制度」と称したい。毎月賃金が変動する成果主義的賃金は、今後、コンサルタントが推奨して模倣する企業が増えていくことでしょう。
<トヨタの評価項目>
- 規律性・・規則、安全、職場ルールを守る。
- 協調性・・組織全体の仕事がうまくいくように協力してチームワーク
- 積極性・・自発的に知識、技能の習得をして、高い目標に意欲的に取組む
- 責任性・・与えられた業務を最後までやり遂げとげる態度。
評価は働きぶりを各項目毎に査定し、期待に応えたを基準に、6ランクに区分して査定し、+1点が期待どおりで標準です。△1 0 +1 +2 +3 +4で1点あたり5000円で基準額70000円が毎月増減します。会社は1点当たり10000円提案しましたが、組合員が反対して5000円になりました。標準額が7万円ですから5万~8.5万の±2.5万円/月の格差がつきます。さらな、顕著な頑張りには、5人に1人に加点原資と1点を加算します。
評価は相対評価ですから、財源一定です。だれかを下げないと上がらない仕組みです。毎日の働きぶりを職制が観察して査定して毎月賃金に反映するのですから、同僚同士で競い合わせる制度です。査定者の好き嫌いで決まることを避けられません。 職制は、告げ口し逆らわず媚びる人がお気に入り。吠える犬よりしっぽふるポチ犬が可愛いのです。
トヨタの管理者層の人事考課制度で「人望」という項目があります。人望のない上司とはえこひきする人が筆頭に挙げられます。
考課結果を本人に通知するの当然ですが、全体の評価分布を公開されずブラックボックスせず公平に評価がなされていることに示すことにしない制度は「所詮、人事は好き嫌い」と不信は鬱積し拡大します。トヨタが考課結果分布を公開するのか不明です。
昔から、アメとムチで労働者同士で賃金を奪いあう競争させることが、労務管理の要諦です。
さて、光和精鉱株式会社は、先般社員意識アンケートを実施し、人事・賃金制度改定をコンサルタントに頼んで模索しているようです。どんな方法で、チームプレーと個人プレーをミックスした競い合わせる制度にするかです。
成果はチーム全体で反映し、失敗は個人責任を明確にしペナルティ課す方法もあります。その逆もあります。
職種の違による労働価値要素を抽象した基準は、デジタル測定できないものです。それをみんなに納得させるには、困難なのです。成果主義は、結果主義なのですが、「やる気」を重視するのは成果主義とは言わない。
ですから、客観的評価をしているように装うために人事評価を公開したがらないのです。いやしいものは隠すに限る。
参考
<トヨタの賃金体系> 2006年現在資料から
技能職系
- 技能個人給・・職能効果 30%
- 熟練給・・勤続年数 20%
- 職能基準給・・資格給30%
- 生産性給・・資格別生産性20%
事務技術職系
- 職能給 50%
- 資格給 50%