自殺防止シンポジューム

写真//張 賢徳 帝京大学医学部附属溝口病院精神神経科科長・教授
写真//張 賢徳 帝京大学医学部附属溝口病院精神神経科科長・教授

2015/9/17

うつ病は個人の脆弱的体質だけが問題なのではない。

 

 2015/9/6ウエル戸畑で自殺防止シンホジューム開催された。張賢徳さんが講演されるので参加してみた。張賢徳さんの基調講演が1時間にわたり講演された。わかりやすく説明で大変良かった。 在日3世で苦労して医師になられた経歴をもつ張賢徳さんの署作本は前から気に入っていました。これを主催した「いのちの電話」に携わってるボランテアの方々に敬意を表します。

 張賢徳先生の講演の後には、パチンコ、ギャンブル、アルコール、引き籠り、うつ病などを経験者の実体験の話しがあった。自殺をするのは、本人の責任だけではなく、その社会的背景があるのですが、それについてはシンポジュームでのテーマとしてとりあげないのですが、個人の資質だけで依存症がおこるのではなく、仕事や社会的環境が与える影響が大きいことがわかります。

 責任感が強く、几帳面で真面目で人にやさしく、不平不満を言えない人が、労働時間が長く、仕事以外の楽しさがないとうつに陥る確率が上がるという。

 かつてのように1000万円を超すような借金する人はいなくなつたが、ギャンブルで何度の借金を繰り返してのは病気であること自覚して依存症を克服した体験談など話がありました。自殺防止するには、近くに相談する人がいること、苦しみを共有する人などいたら、自殺するまでに至らないことが強調された。

 

 ストレスチェックの項目で上司に相談できるかとの質問があります。相談したくない上司は、能力があっても人格的には尊敬されない人は管理職の資質はない。幹部人事は能力より品性を重視するのが原則です。能力は経験積めば向上しますが、品性はなかなか変わらないものですが、先天性のものではなく、生まれ育った環境に影響されて形成されるものですから変わることができます。

 うつ病疾患の多く発症する職場、会社は脆弱的体質の人が多いのではないのです。組織としての態勢の問題があるのです。個人の責任、個人の問題として解消するのではなく、うつ病が発生する背後の要因の対策を打たないと、うつ病は減りません。

 「イヤならば辞めれ頂いて構わないと」云う人はみんなでリコールできる制度があればよいのですが・・。光和精鉱にはそんな人がいたし、まだいるのです。