労使協定の規範的効力

図表 毎日新聞2015年10月19日 教えてワークルール。東海林智記者の記事
図表 毎日新聞2015年10月19日 教えてワークルール。東海林智記者の記事

2016/8/23 21:52

組合員が社員総数の3/4以上ないと非組合員に協定の効力はないが、規則として全員に波及する。

 

 労働組合が、使用者の利益の立場にある労働者を加入させていると労働組合としての適格要件を満たさない。

 労働組合法の「労働関係についての計画と方針とに関する機密の事項に接し、そのためにその職務上の義務と責任とが当該労働組合の組合員としての誠意と責任とに直接にてい触する監督的地位にある労働者」は組合加入していると非適格組合となる。

 管理監督労働者の職制であっても労働者であるから組合加入できますが、ユニオンショップ協定で排除しているに過ぎない。

 製鉄の関連企業でユニオンショップで事務、技術職は非組合員としている会社が存在する。

 労使協定の規範的効力として、非組合員拡張適用できるのは、3/4以上の組織されている場合であり、管理職比率多いので3/4に達しない。 労基法では労働時間に関する36協定は過半数で全社員に効力が及ぶものが列挙されている。法で定められていないものを非組合員を含む全社員に適用するには、会社の規則によることになります。規則は協定を下回る部分は無効となりますから結局、協定と規則は同じになるのです。従って、労使協定が組合員のみに効力があるだけでも、全体に波及効果があるのです。 

 

 2016年再雇用賃金改定を正規社員組合と会社が非組合員の再雇用者の賃金改定を協定しています。「定年後の労働条件を決めたものである」とするならば、組合員がこれから先、課長になるのでその賃金を協定するかと言えばしない。労使協定は非組合員に効力は及ばない。会社は労使協定を統制の道具として利用している。

 労使協定すれば不利益変更が認められるかと言えばそうではない。特定者のみをターゲットにする労働条件切り下げは、個別同意が必要となる。 

  光和精鉱株式会社では管理職と位置づけられている課長職は労働時間規制の適用除外対象ではなく、時間外手当支給対象職です。ユニオンショップ協定で会社が組合員加入を排除しているに過ぎない。

 

過去blog

2015年04月03日 - 労使協定は非組合員に効力は及ばない。