2017/1/6 20:08
そもそも、兼業禁止は職業選択の自由で無効
政府は「働き方改革実現会議」で、「兼業・副業」や「雇用契約にとらわれない働き方」など、柔軟な働き方の促進を目指しています。副業、兼業禁止から原則容認とするよう就業規則改定ガイドライン作成に着手するとの報道がある。
「働き方改革実現会議」は企業側主導の「働かせ方」改革の検討会です。安倍晋三首相は、長時間過密労働解消、同一労働同一賃金を目指すとウソ言っています。残業ゼロの裁量労働制の拡大、非正規と非正規の格差固定化する下ならしのための検討会議と思えてならない。低賃金をカバーするため、少子高齢化で労働力人口減少のための副業、兼業奨励していこうとしているのではないかと邪推せんでもありません。
企業が兼業禁止する動機は、「業務に専念してもらいたい」「業務に悪影響を及ぼす」「業務上の秘密を保持したいから」等の理由で正社員の副業を禁止し、非正規社員へも拡張適用しているのが実態です。
そもそも、憲法の職業選択の自由があり、民法にも労働基準法にも、2つ以上の会社と雇用契約を結んだり、会社員と自営業を兼業することを禁止するような条文はありません。副業禁止は、多くの会社の就業規則に規定しています。しかし、副業禁止は、法律上は無効なのですから、届け出し許可制とする就業規則が一般的です。
裁判所の判例しては、労働者が就業時間外に適度な休養をとることが誠実な労務提供のための基礎的条件であり、兼業により勤務に業務に支障が生じる虞があるので、許可制には合理性があるが、会社に実害がないのに、副業を理由に懲戒するの違法であると判決しています。つまり、業務に支障がない限り兼業は認められるのです。
さて、光和精鉱では兼業許可性となっています。許可を得ないで副業、兼業したら懲戒処分の対象になります。2つの会社に働くことにより、残業ができないので業務に支障をきたす。また競業他社での機密が漏れる等の実害が起こる虞があるので、副業するときは、届出し、許可を得てくださいと規定しています。
光和精鉱の社員で許可なくアルバイトに従事、自営業したりしている人は、過去も現在もいます。兼業する理由はさまざまです。「会社外の業務に従事してはならない」とは他人に雇用される場合も自営業の場合も同列となっています。副業は、借金返済や、賃金が安いのでアルバイトすることもあれば、転職のための準備としておこなう場合もあります。
自民党の副業容認の就業規則ガイドラインはどうなるか未知ですが、許可制であれば、不許可基準が必要になります。よって届出制で落ち着くのではないと推察します。考えてみれば、兼業・副業禁止を就業規則から削除するのが一番よいと思うのです。
光和精鉱株式会社就業規則
現行
(兼業禁止)
第 7条 社員は会社外の業務に従事してはならない。ただし、会社に届け出て許可を得たときはこの限りでない。
改定私案
(兼業届出)
社員は、自社以外の所に雇用されるときは、会社へ届け出しなければならない。ただし、健保年金の社会保険未加入の雇用契約および自営業の場合はこの限りではない。
別案として
第7条 兼業禁止の全面削除