24年前の飛び降り自死

交通事故より自殺が多く、交通事故殺はニュースになるが、自殺はニュースにならない。
交通事故より自殺が多く、交通事故殺はニュースになるが、自殺はニュースにならない。

2017/1/30 22:18

1993/1/31 24年前の課長職の自死

 

 北九州市市議会選挙は2017/1/29投票日でした。

 市議会選挙があるたびに飛び降り自殺したAさんのことを思いだすのです。仙崎の葬儀場のお寺の境内で近所の人が「心臓が悪くて突然亡くなったのですか」と尋ねられて、返答できず黙っていました。遺品として一眼レフカメラ貰ったが一度も使わず押入れの奥に仕舞ったままです。市会議員投票日は4年毎に1月末週の日曜日ですから、命日を思いだすのです。

 

 24年前の1993/1/31日曜日の朝、市議会選挙の投票を終えて自転車で図書館へ行く途中、社宅近くのマンションにパトカーと警察が集まっていました。交通事故だろうと思い無視して通り過した。図書館について、すぐに館内放送で自宅から電話呼び出しがありました。そして、あの警察が集まっていたのは、事故処理のためであること知りました。急いで家に戻り、現場へ行くと通路の白いラインに弁柄色の血痕が残っていました。

  

 1993年平成5年は、光和精鉱が硫酸の構造的赤字で産業廃棄物処理メニュー拡大に取り組んでいたときです。Aさんは製造部スタッフ課長で処理の技術担当で、悩みも多く労働時間は長く、変な言動を複数の人が感じていました。課長職は管理監督労働として労働時間規制対象外でしたので、時間外労働を把握して記録などしていません。夜遅くまで在社していて、夜間にも現場出かけて排水が心配になり排水溝を眺めていたところを目撃さています。通勤車両は洗車せず放置していて焼鉱の粉塵で汚れ、フロントガラスはワイパー部分しか透けていません。心配ごと多くて眠れない、難聴になったとか、生命保険増やしたとか、変な言動がありました。ちょっとした失敗でひどく落ちこんだり、陽気に振る舞うこともありました。当時は、周りの人達は、うつ病の知識がなく適切な対応ができなかったです。家族は会社を辞めるように話したことを事後聞かされました。 

 1993年平成5年のA氏の飛び降り自殺は、現在であれば労災となり、安全配慮義務違反として損害賠償請求ができた事故でした。しかし自己責任だけで片付けられたのです。当時は、うつ病者は少なく、うつ病のことはあまり知られていなかつた時代です。

 

 あれから13年後2006年平成11年に、長時間過重労働によるうつ病自殺の労災認定基準ができるのです。精神障害による自殺の取扱いについて厚生労働省が通達が出た平成11年の精神疾患の労災認定件数は11件でしたが、平成27年度の請求件数は1515件となっています。

 光和精鉱株式会社はこの自殺事故直後、管理職を集めてうつ病の講習会を開催します。うつ病が発生する原因には長時間労働対策は論じず、本人の精神脆弱的体質が問題でなので早期発見が大切という講習会資料を見せてもらいました。

 

 電通の高橋まつりさんの過労死飛び降り自殺は、労災認定されて社長は辞任し、執行役員5人減給処分、部長級以下社員3人は懲戒(内容非公開)をし、遺族への 推測1億数千万円?の和解金を支給し、実効ある再発防止を誓ったところです。

 引きこもり、依存症、うつ病と精神疾患は本人の努力だけでは如何ともしがたい問題なのです。本人の脆弱的体質だけとするのは問題の本質的解決になりません。この飛び降り自殺後しばらくして、社員の配偶者が車で海に飛び込み自死する事件か起きるのです。

 当時の関係者は退職して今は少なくなってます。この自殺は風化しないようにしなければいけません。