長時間労働、業務上過失致死罪で告訴

西日本高速道路 勤務実態例 神戸新聞から2017/1/25
西日本高速道路 勤務実態例 神戸新聞から2017/1/25

 2017/7/26 22:06

 西日本高速道路 労基法違反送検

 

 西日本高速道路㈱では34歳労働者が150時間の残業でうつ病発症で自殺。遺族は、業務上過失致死罪で告発しています。全通過労死自殺事件では、会社は罰金処分となったが直属上司は起訴猶予処分でした。

  36特別延長協定し、事後、健康診断をさせれば、残業は青天井です。 長時間労働の36協定、賃金不払、労働時間把握義務の違反の労基法違反は刑事罰ですが罰則金刑ですから、業務上過失致死の刑事罰として処分を求めています。

 産廃業では、会社が業務上過失致死罪として刑が確定すると廃処理許可の取り消し処分となります。

  

新聞記事転写

 過労死問題で西日本高速を書類送検 労基法違反疑い

神戸新聞2017/7/7

  西日本高速道路会社(大阪市)が、過労自殺した男性社員=当時(34)=に違法な長時間労働をさせていたとして、神戸西労働基準監督署が6月23日、労働基準法違反の疑いで、同社と、男性の当時の上司らを書類送検したことが7日、関係者への取材で分かった。

  関係者によると、書類送検の対象となったのは、法人としての同社と、男性が勤務していた同社第二神明道路事務所(神戸市垂水区)所長や、関西支社などで人事・労務管理を担当していた計7人とみられる。 男性は2014年10月に同事務所に異動。未経験だった道路補修工事の施工管理などを担当した。着任当初から時間外労働は月150時間を超え、うつ病を発症。15年2月に神戸市内の社員寮で自殺した。 遺族らによると、時間外労働は14年10~12月で毎月150時間以上に及んだ。午前4時59分の退勤から8分後に再び出勤するなど、事実上、約36時間の連続勤務をしていた日もあった。2カ月間にわたり、最大で月約140時間の時間外労働を認められたという。労災認定は15年12月9日付。

 また、男性の遺族は、業務上過失致死の疑いで、男性の当時の上司ら8人の告訴状を神戸地検に提出している。

 西日本高速は05年に民営化。同社資料によると、社員数は06年の約2600人から微減する一方、事業量は事業費換算で06年の2247億円から15年の5113億円と、2・3倍に拡大。1人当たりの仕事量が増加し、過重労働を生む背景とみられる。

 同社は7日、送検について「把握している」とした上で「亡くなられた社員に対してはご冥福をお祈りするとともに、ご遺族には心よりお悔やみ申し上げます。このようなことが二度と起こることのないよう、労働時間の正確な把握の徹底を会社全体で進めている。引き続き本件に関する捜査に全面的に協力する」とコメントした。(2017/7/7神戸新聞)

西日本高速で男性過労死 退勤8分後に出勤も

神戸新聞NEXT2016/1/25 07:00

 西日本高速道路第二神明道路事務所(神戸市垂水区)で道路の施工管理を担当していた男性社員(34)の自死について、神戸西労働基準監督署が労災認定していたことが分かった。遺族によると、男性の時間外勤務は最大月178時間に達し、退勤から次の出勤まで8分しかない異常な勤務記録もあった。同事務所は残業代の未払いで労基署から是正勧告を受けていたことも分かった。(中部 剛)

 男性は2014年10月、九州の道路事務所から赴任し、第二神明の補修、改良を担当。15年2月、神戸市内の社員寮で自死しているのが見つかった。転勤後から「仕事が忙しく時間がない」「体調がよくない」と家族に漏らしていたという。

 遺族が第二神明道路事務所から提供されたセキュリティーシステムの入退室時刻やパソコンの使用時間から労働時間を算出すると、転勤直後の14年10月の時間外労働は150時間、11月178時間、12月152時間、15年1月108時間だった。

 夜間工事の監督業務にも従事し、14年11月4日は午前7時半に出勤し、昼と夕の休憩を挟んで翌5日午前4時59分まで勤務。その後、午前5時7分に再び出勤した記録がある。同月は午前5、6時の退勤が4日あり、うち3日は次の出勤までの間隔が8分、26分、2時間18分だった。

 同事務所の労働時間を管理する就業管理システムには、月34~85時間の時間外勤務しか記録されておらず、勤務実態を大幅に下回っていたため、会社側から遺族に残業代の追加支払いの申し出があったという。他の従業員も残業代の未払いがあったとみられ、昨年、神戸西労基署が是正勧告。西日本高速道路関西支社は勧告があったことを認めたものの、「詳細は差し控える」としている。

 遺族は「こなし切れない仕事量を課され、明らかなパワハラだ」と憤り、同社に勤務状況を詳細に説明するよう求めた。男性社員が搬送された病院で上司の課長が「業務量に対し明らかに人手が不足していた」と謝罪。その後、所長も管理責任を認めたという。

 これに対し、同支社広報課の赤井健二課長は「労災認定を重く受け止める」とするものの「業務との因果関係について断定的なことは申し上げられない。時間外労働、謝罪の有無にもコメントできない」と企業責任については言及を避けた。2016/1/25 07:00神戸新聞NEXT