会社がうつ病労災申請を拒むとき

厚労省 精神障害の労災認定パンフ(全体版(4,218KB)) 画像クリックしたら全文PDFにリンクされてます。
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2017/8/13 13:32

精神疾患の労災判定は会社が決めるのではない

 

   外傷ケガ以外のうつ病や職業病の原因は、本人の脆弱的体質とし、労災にはならないとして職制が一蹴することが多い。

   うつ病などは、長時間労働、ハラスメント、配置換えなどに起因している場合には、労災認定基準が整備されています。この認定基準に基づき、労基署が調査して労災の判定をします。

 労災保険申請は事業主が被災者から委任を受けておこなうものであり、事業主が労災を判定するものではありません。

 労災申請書には、事業主が①負傷又は発病の年月日及び時刻、②災害の原因及び発生状況等を証明するものであって、それが労災であることを証明するものではありません。労災であるか否かはあくまでも労働基準監督署が判断することです。この点を誤解している人が多いようです。

 

 業主が労災申請を拒んだり、被災証明を拒むことがあります。事業主が証明をしてくれない以上は、証明のないまま労災保険給付等の請求書を提出することができます。

 会社に労災の証明をしてもらえなかった事情等を記載した文書を添えて労働基準監督署提出すれば受理をしてもらえます。この文書は、書式が決まっていません。「事故証明不提出の理由書」などという表題を付けて、証明を拒まれたため労災保険請求書を本人が提出すればよいのです。労基署が事実関係を調査してくれます。労災非認された場合には、再審請求ができますが、これには時効があるので注意が必要です。

 ユニオンは、労災補償について労働者側の立場で、全力を挙げて労基署交渉をおこないますので、ご相談ください。

 

労災保険法施行規則

(事業主の助力等)

第23条 保険給付を受けるべき者が,事故のため,みずから保険給付の請求その他の手続を行うことが困難である場合には,事業主は,その手続を行うことができるように助力しなければならない。

2 事業主は,保険給付を受けるべき者から保険給付を受けるために必要な証明を求められたときは,すみやかに証明をしなければならない

 

厚生労働省HP心理的負荷による精神障害の認定基準 PDF リンク

心理的負荷による精神障害の認定基準について(平成23年12月26日付け 基発1226第1号) [454KB]