賃金割増率の明示通達

丙番明け休日の残業は、休日労働割増率を適用しなければいけない。
丙番明け休日の残業は、休日労働割増率を適用しなければいけない。

 2017/10/18 20:16

賃金計算係数では割増率が分からない

 

 光和精鉱株式会社の賃金担当者へ休日労働の割増率を尋ねたが、すぐに回答がなく、数日たって休日労働割増率が37%である旨の回答があった。そこで、光和精鉱株式会社の給与規則の休日労働賃金計算係数が誤ったままになっていることを指摘した。

 計算係数根拠の労働時間も明示されていないので、係数から逆算して割増率も労働時間も分からない。割増率と労働時間を明示するよう意見しているのですが、正規社員組合とも意見交換して検討するとの回答が10/18ありました。一目してわかるように割増率を示すこと組合が反対するはずはないのに、いまから検討するとの報告です。

 

  基法第15条では、労働条件の書面による明示義務を定めています。条文に対する解釈として厚労省通達-昭和51年9月28日付-基発690号では「時間外、休日又は深夜労働に対して支払われる割増賃金について特別の割増率を定めている場合にはその率」を明示すべきと通達されています。

  和精鉱株式会社では割増率改定したときの労使協定には計算係数ではなく割増率を記載していますが、給与規則には、賃金計算上の労働時間も割増率が記載されていない。よって、計算係数をもって割増率明示に代えることは違法の疑いがあります。

 ついでに言えば、割増対象には、交替手当、特殊作業手当、住宅手当等も含まれます。丙番明け残業は休日割増率適用することなど記載しておけば、賃金担当者の誤算防止のマニュアルにもなり、社員を給与計算額を検算できます。

 計算係数=12/年間労働時間?×(1+割増率?) 

 → 2つの数値が分からないので割増率は逆算できないので明示していることにはならない。

 

過去ブログ  

2017年10月07日 - 休日労働賃金計算係数誤り発見

2017年10月11日 - 給与規則上書き訂正差替え

 

資料 

明示すべき賃金に関する事項及び書面について 

厚労省通達-昭和51年9月28日付-基発690号 抜粋

 前略--「書面によつて明示すべき事項は、賃金に関する事項のうち、労働契約締結後初めて支払われる賃金の決定、計算及び支払の方法並びに賃金の締切り及び支払の時期であること。

 具体的には、基本賃金の額(出来高払制による賃金にあつては、仕事の量(出来高)に対する基本単価の額及び労働時間に応じた保障給の額)、手当(労働基準法第二四条第二項本文の規定が適用されるものに限る。)の額又は支給条件、時間外、休日又は深夜労働に対して支払われる割増賃金について特別の割増率を定めている場合にはその率並びに賃金の締切日及び支払日であること。

 また、交付すべき書面の内容としては、就業規則等の規定と併せ、前記の賃金に関する事項が当該労働者について確定し得るものであればよく、例えば、労働者の採用時に交付される辞令等であつて、就業規則等に規定されている賃金等級が表示されたものでも差し支えないこと。この場合、その就業規則等を労働者に周知させる措置が必要であることはいうまでもないこと」

 

光和精鉱給与規則 (上書き訂正前)

第12条 休日勤務手当は休日出勤1時間につき基本給月額に0.00827(ママ)じて得た額とする。ただし、年末・年始創立記念日については、0.01134を乗じて得た額とする。 

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