2018年年頭所感を読んで

  朝日新聞2017/10/15記事解説図 人で不足なのに賃金は伸び悩む
 朝日新聞2017/10/15記事解説図 人で不足なのに賃金は伸び悩む

2018/1/8 23:38

 未来は創るもの。

 

 どんど焼き終わり、正月気分はなくなり、社長の年頭所感忘れるので、感想を述べておきます。

 光和精鉱の代表取締役社長石橋幸雄の年頭所感は、860字の文書で半分は昨年の話題となった出来事を列挙した後に「好景気と言われているが何がしら実感が伴わないように感じている」株価だけは高くなっている。日産自動車、三菱マテリアル子会社、神戸製鋼所子会社の品質規格の改ざんを例に、「当社も他人ごとと思わずに再度足元の状況を謙虚に見直し、お客様にさらに信頼して頂ける会社を目指して頑張っていきましょう」と述べています。

 社長以外の役員の年頭所感も掲載されています。当たり前のことを淡々と述べており、斬新で目新しいことは特に感じません。

 2018年度から新たな3か年中期計画が始まると宣告しても、その中期計画は一般社員には知らされていません。現2017年度までの中期計画なるものは、最後まで一般社員へ周知することなく終わろうとしいます。最終的な目標(KGI)も、途中計画の重要業績評価指標(KPI)も意識せず、当面の予算と収支予測に一喜一憂しています。 

  安全第一、法令遵守を愚直におこなっていれば、未来が拓けるものではありません。まだご披露目ない中期計画は、ダスト4号炉ボイラー更新で数か月休止による減収を低濃度PCB処理増でどのようにカバーするのか。水銀排ガス対策どうするのかなど社員へ説明しない。結局、中期計画は将来のビジョン施策を示さない、当面の3年間の収益予想であろうが、それさえを社員へは周知しない。

 未来はどうなるかわからないが、「未来は自分達が創る」と奮起させるような言葉は見出せません。

 

 大企業の社長の年頭所感は、総務部員がトップの意見聞いて文章を推敲して作成しますので、簡潔に無駄のない文書で具体的課題を提起しています。トップの問題認識と課題解決の決意、将来の発展方向を縷々述べられています。自分達が何を目指すのかの決意が現れています。アベノミクス以降、多くの企業の年頭所感から、「存亡の危機」、「生き残り」とかの言葉は消えている。

 日本国は1000兆円をこえる金利上げると借金が増えるのでゼロ金利を続けざるを得ない。借金返済のために消費税10%引き上げ、法人税は下げる。少子化で労働力人口が減っていくので、求人難の人で不足の兆候がでているが、派遣法のさらなく改悪で、非正規社員比率は40%近くまで増えて、低賃金不安定雇用の状態は変わらない。正規社員は、長時間過密労働でうつ病者が増え、安倍首相の働き方改革では、時間外労働100時間まで認める残業規制法、高度プロフェショナル制度と裁量労働制度適用拡大を残業ゼロ法案。アベノミクスは5年経過して株価と企業の内部留保は増えても、労働者の収入は増えない。インフレ2%目標は未達なのは、不安定雇用の非正規労働者の改善なくして、少子化も年金も人手不足も解決しない。

 証券会社のお抱え経済評論家は、消費税値上げは減税で購買意欲を維持し、東京オリンピックまでの公共投資で景気は支える。株価はまだまだ上がると宣伝する。世界的金融緩和でお金は余っている。1987年に起きたブラックマンデー、1997年のアジア通貨危機、2008年のリーマンショックとほぼ10年の周期で金融危機が発生している。何らかのきっかけで債務不履行が発生し、信用不安がおこると悲観的なこと言う経済評論家もいる。

 楽観的に見るか悲観的に見るかは、得られた情報で、人それぞれが判断する。DOWA-HDの「未踏の領域への挑戦」は、斬新キャッチコピーで他社で用いて流行しています。光和精鉱は、いまだに新しいスローガンがないまま平成時代を終わろうとしています。