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JR西 残業代約20億円未払い
NHK NEWSweb 2018年03月16日 16時25分
JR西日本は、職員1万4000人余りに対して過去2年間余りの残業代およそ20億円の未払いがあったと発表しました。 去年3月に労働基準監督署から是正勧告を受け、調査を進めていたということでJR西日本は今月、全額を支払うことにしています。 これは16日、JR西日本が会見を開いて明らかにしました。 それによりますと去年3月、労働基準監督署の立ち入り調査が行われ、職員の労働時間が正しく管理されていないとして是正勧告を受けたということです。 これを受けてJR西日本が職員1万7000人余りを対象に過去2年間余りにわたって業務で使うパソコンの操作記録やメールの送信記録などを調査したところ、およそ8割にあたる1万4000人余りが勤務時間以外に仕事をしていたことが分かったということです。 未払いの残業代はあわせておよそ19億9000万円にのぼるということです。 このうち最も多かったのは副駅長を務める50代の男性社員で、未払いの残業代は1200時間分、およそ450万円だということです。 JR西日本は未払いの残業代を今月、全額支払うとしています。
JR西日本人事部の國弘正治担当部長は、「労働時間の管理はこれまで指導を徹底してきたが行き届いていなかった。実績に合った労働時間を把握して賃金を払うことに努めたい」と話していました。
JR西日本でおよそ20億円の残業代が未払いとなっていた問題について、労働問題に詳しい関西大学の森岡孝二名誉教授は、「職員の労働時間を適正に把握することは会社の義務であり、自己申告に任せるのではなく会社としてきちんと確認することが必要だ。特にJR西日本のような公共交通を担う会社には安全確保という重大な役割がある。いわゆるサービス残業が漫然と行われていたとすれば職員の健康だけでなく、安全な運行にも支障をきたすおそれがあり、労働時間の管理方法を見直す必要がある」と話していました。