2018/7/1 21:54
出勤務困難に対する手当に非ず。
光和精鉱株式会社は、自然災害により出勤が困難で、自宅待機命令が発令されたとき、会社に出勤し業務に従事した場合に特殊作業手当相当の手当を支給することを3/31付で労使協定した。給与規則はまだ定めていない。
<正規社員との労使協定抜粋2018.3.31付>
自宅待機命令が発令されたとき、会社に出勤し業務に従事した場合、1時間につき220円を支給する。なお、業務に従事した時間が3時間を下回る場合は、3時間分の手当を支給する。
この手当の呼称、対象者、運用要綱など給与規則に定めて、非組合員へも波及適用されることになる。
当ユニオンは、「緊急時勤務手当(仮称)」の賃金規則制定に際して、次のとおり見解を述べ会社と支給要件を詰めています。
1. 手当の呼称は「緊急時勤務手当」または「非常時災害勤務手当」などに支給要件を簡潔に表現するが望ましいが、既存の特殊作業手当と趣旨は異なる。
2. この手当の正規社員が2018年春闘で要求したものであり、その契機となったのは、大雨で工場が水没して車輛通行止めで出社困難となり自宅待機指示がでた。ところが自宅待機指示発令した時点で既に出社して通常業務に従事した人と自宅待機指示により終業時刻まで出社しない人がいた。スプ濡れになり出社した人から見れば、終日労働免除になった人との不公平感が募るの自然です。
3. 自宅待機命令とは、懲戒や休業の場合に用いる概念であり出社禁止です。出退勤が困難な場合は、遅刻、早退しても、労働したものと見做す「労働免除」措置です。工場は24時間三交替操業であるから、現場業務者には自宅待機指示でても、何とかして工場へ出社する努力をするものです。その苦労に報いるために金銭にて慰労することを否定しません。
4. 災害での自宅待機指示は、自然災害に際しての負傷リスクを軽減する信義則からくる企業の安全配慮であり、勤務したものと見做す労働免除措置を「自宅待機」という形で具現化されます。
5. 台風襲来により交通障害が起きる恐れがあるとき、安全な帰路の確保を最優先として、特定の基準により早退を勧めることがあります。すると早退しなかつた人へ手当を支給するのかという疑義が生じます。早退指示を受けて帰った人達に対して、自分は働いていたので不公平だ(カットすべきだ)と主張する人がでてきます。
6. 自然災害とは、台風、大雨、大雪、津波などは予見可能です。地震、原発事故による放射能漏れ、大爆発・火災、テロ、伝染病など想定できるが、いつ発生するのかわかりません。究極は、戦争、内乱による戒厳令など起きたとき、職務責任から出社する人はいます。
7、この手当の欠陥は業務の難易度にもとづかないことです。出勤退勤困難度により判定する条件としていることです。
整理しなければいけない事例
(1)自宅待機命令がでたが、命令伝達遅れて始業前に既に出社していた。デスクワークに従事した人も手当の支給対象となるのか。
(2)台風接近で、交通手段停止が予想されるので、遠隔地の人や女性のみ早退指示した。早退しない人は手当対象となるのか。
(3)労働時間規制法上の管理監督労働者は自己裁量により出退勤決めることができるので、待機命令という概念はない。社内の管理職区分の課長は手当対象となるのか
(4)自宅待機命令に従わず、出社した。通勤困難な事態でも交替勤務、操業要員はあらゆる手段を講じて出社する。自宅待機命令対象者が限定されたとき、対象外は手当の対象となるのか。
(5) 自宅待機命が出たが、出勤して在勤しているだけで手当支給されるのか。
つづく
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