三菱電機裁量労働制度廃止

毎日新聞2018/9/29
毎日新聞2018/9/29

2018/10/8 09:15

残業定額払いの裁量労働で36規制逃れする。

 

 先の国会で裁量労働制度を企画型営業職に拡大しようとした法案は撤回されました。裁量労働は労働時間が短くなるとするでたらめな統計が法案提案撤回の原因となった。実労働時間を正しく反映とない統計をもって働かせ方型改革は論議できないのは当然なことです。

 三菱電機では研究開発、企画業務等に従事者3万人いて、勤続1年以上の1万人が裁量労働制を適用され、労働時間は、どんなに残業しても定額払いでみなし労働が適用されていた。裁量労働は、予め定めた時間外労働以上の賃金を支払う必要がなく、人事評価が賃金、賞与決まるので、目標管理や成果上げるために自主的に長時間労働を強いられる。三菱電機は、過労死労災認定が相次ぎ裁量労働制を廃止する。死亡まで至らずとも、うつ病罹患者は相当数いたと推察されます。

 和精鉱では、管理監督者でない課長職は定額払いの管理職手当を支払い、自己裁量により労働時間管理しています。管理職は労働時間自由裁量あるとしながらフレックスタイム導入していない。

 裁量労働はフレックスタイムと違い出退勤時刻の自由はなく、時間外労働がみなし労働時間として、どんなに長くても定時間以上の賃金を支払わないのです。裁量労働制であっても、管理監督者であつても時間外賃金の支払い有無とは関係なく、安全配慮義務から「適正な労働時間把握」することが求められる。

  

毎日新聞NEWS(2018年9月28日)

今春、裁量制を廃止 15~17年、3人労災

 三菱電機(本社・東京都千代田区)で裁量労働制が適用されていた男性社員3人が精神疾患や脳疾患を発症し、2015~17年に労災認定されていたことが27日、明らかになった。うち1人は過労自殺していた。同社は「厳格に労働時間を把握するため」として、今年3月に裁量労働制を全廃した。政府や経済界は裁量労働制の対象業務の拡大を目指すが、識者は「長時間労働につながることが改めて示された。拡大すべきではない」と指摘している。【神足俊輔】

 同社によると、労災認定された3人は、裁量労働制が適用された40代(認定、死亡時)の3人。このうち、コミュニケーション・ネットワーク製作所(兵庫県尼崎市)に所属していた社員は16年2月に過労自殺し、他の2人は脳疾患を発症した。

 一方、裁量労働制は適用されていなかったが、名古屋製作所(名古屋市)に所属していた20代の社員が12年8月に過労自殺し、その後に労災認定されていたことも判明した。 

 労災認定された三菱電機の男性社員

 労災認定された社員5人はいずれも開発業務に当たるエンジニア。同社は、研究開発や企画を担当する社員を対象に04年から裁量労働制を導入。全社員約3万人のうち約1万人に適用されていた。同社によると、入社10年目くらいから適用されることが多く、裁量労働制でなかった2人も将来適用される可能性が高かったという。

 裁量労働制を巡っては、政府は6月に成立した働き方改革関連法に対象業務の拡大を盛り込もうとしたが、厚生労働省が示した労働時間に関する資料に不適切なデータが多数みつかったため、撤回。今月20日に新たな調査方法を検討する同省の有識者会議が開かれた。政府は来年度にも再調査を実施し、改めて拡大について検討したい考えだ。

 実際に働いた時間ではなく、あらかじめ決めた「みなし労働時間」を基に残業代込みの賃金を支払う裁量労働制は、仕事の進め方や時間配分を自分で決めることができる労働者に限定して適用できるとされるが、長時間労働の温床になっていると指摘されてきた。

日本労働弁護団幹事長の棗(なつめ)一郎弁護士は「裁量労働制で働きながらも、実際に裁量を持たされている人は少ない。今回の三菱電機のケースで、過労死するほどの長時間労働をしなければならない現状が明らかになった。現状では長時間労働を是正する法的な仕組みはなく、対象拡大はすべきでない」と指摘した。

 

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