始業時刻前の自主的就労開始は労働時間に非ずか。

イラスト 東京新聞
イラスト 東京新聞

2018/12/16 13:45 

自主的な始業前労働を都度中止させないと黙示の命令とみなされる。

 

 36協定違反で何度も違反していると書類送検されます。政府は全通飛び降り自殺事件以降「働き方改革」として、労働基準監督署は、何度も違法を繰り返す企業を書類送検する事案が増加しています。 まして、36協定超えしないように、実労働時間を虚偽記録した場合も労基法違反です。労働時間の把握義務は使用者にあり、過小自己申告を黙認することは労働時間疑義記載になります。

 サービス労働は労基法違反です。時間外は下命による以外認めていないとしても、日常的に上司から口頭による下命はなくとも、自主的時間外労働をおこなっていて、都度、時間外労働を中止する指導をしないことは、黙示の命令となります。

 光和精鉱では、始業60分前の出社禁止、終業30分以内の退社を総務部が下達してサービス労働違反防止策を講じていますが、多くの人は、始業前には業務開始しています。

 「働かせ方改革」キャンペーンで、時間外労働規制で、労働の裁量性による自己管理をしているスタッフに、残業禁止、削減指示をし、自主的労働を余儀なくさせることは、パワハラの一種です。

 WEB検索すると時間外労働違反に関する記事の一部を紹介します。

 

労働新聞社HP記事

違法な時間外労働で食料品製造会社を送検 労働者4人に月100時間超 武生労基署

2018.12.12 【送検記事】

 福井・武生労働基準監督署は1カ月100時間を超える違法な時間外労働をさせたとして、㈱一乃松(福井県越前市)と同社の代表取締役を労働基準法第32条(労働時間)違反の疑いで福井地検に書類送検した。

 同社は西京漬けや鯖寿司などの製造販売を営んでいる。代表取締役は平成29年7月26日~10月25日までの間、36協定で定める限度時間を超えて、労働者4人に違法な時間外労働をさせた。36協定は時間外労働の限度時間を1カ月100時間、1日6時間としていた。

違反は臨検監督で発覚した。同労基署は行政指導をしたが改善がみられなかったため、送検に至った。【平成30年11月19日送検】

 

特別条項付き36協定の上限超えて違法残業 技能実習使用業者を送検 岩国労基署

2017.12.11 【送検記事】

 山口・岩国労働基準監督署は、技能実習生に違法な残業、休日労働をさせたとして、プラスチック製品製造業の美栄(みえ)樹脂㈱(山口県岩国市)と同社代表取締役社長および総務課長の計1法人2人を労働基準法第32条(労働時間)違反の容疑で山口地検岩国支部に書類送検した。

 同社は、「1カ月の残業時間を80時間まで」「休日労働は月3回まで」とする特別条項付きの時間外・休日労働に関する労使協定(36協定)を締結していたが、平成28年9月に月135時間の残業と、4日の休日労働を中国人技能実習生に行わせていた。

さらに、残業などを一切行わせていないように見せ掛ける目的で偽の賃金台帳も用意し、同労基署が実施した監督時に使用していた。

情報提供から一連の違反が発覚している。【平成29年11月21日送検】

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