2021/3/2
回転中のベルト落鉱掃除は危ないので拒否できる?
光和精鉱では日本製鐵㈱の八新会の「10の禁制事項」に独自の禁制事項を加えて12の禁制事項を定め、この違反を安全管理責任者、安全推進班に発見されるとイエローカードを切られて、反省文を求められ再教育します。懲罰的な抑止力で一定の効果があります。事故災害が起こると、本人の不注意とか禁制事項遵守違反で責め立てます。
禁制事項の一つに「回転体に手をだしてはいけない」があります。感覚的でわかりやすい表現です。
この「回転体」とはベルトコンペヤで言えば、プーリー、キヤリアローラー、リターンローラーなど軸が回っている箇所なのか、くるくる回っていないベルトは除くのか。手を出さないとは、直接手で接触することだけてはなく、スコップやスパナ等用具を用いて稼動部分に接触することも禁止しているのか定義が曖昧です。手を出すとは、用具を用いても稼動部分を触れる可能性のある作業も含めて禁止していると解するのですが、そうすると稼動に支障が生じるので、例外を設けるのです。
すると、モーター、プーリーの軸の聴診器での点検、グリス差しはできない。ベルト下の落鉱掃除で堆積した鉱石がリターンローラーやプーリーに付着しているときはベルト停止して作業しなければいけない。
ベルト停止するのは生産に影響するので、巻込まれ防止カバーなど設置してベルト下掃除をする。
人間は過ちを冒す。稼動優先するためベルト停止せず、手出しをしてしまう。そのときは、人感センサーでベルトが自動停止する装置をつければ災害は回避できるが、法令違反にならない限り投資したくない。そう、禁制事項を唱和して徹底させるのが安上がりです。
安全と生産は表裏一体。安全のため停止すると責められる。禁制事項守らずケガしたら自己安全保持義務違反で責められる。不十分な安全措置ついてないことを理由に作業命令を拒否すると人事考課下げられる。
最近では、自動車死亡事故対策として、シートベルト、エアーバックの義務化、衝突防止自動停止装置と進んでいるように現在の技術で考えられる安全装置を検討することが、ケガをさせない安全配慮義務です。
運転中のベルト落鉱作業は引き綱式非常停止スイッチつけず、禁制事項から除外するのは救命措置の思考が欠如しているからでしょう。